![]() 澄田 信義
(島根県知事)
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![]() 平良 とみ
(女 優)
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多くの人を魅了したおばぁ役
知事 平良さんには、11月25日に湖陵町で行われた健康フォーラムのトークショーに、ご夫婦でご出演いただきありがとうございました。島根県には初めてお越しくださいましたか。 平良 はい。初めてでございます。 知事 島根の印象はいかがでしょうか。 平良 広々として落ち着いていて、清潔感のするいい町ですね。きっと環境がいいから、会場にお集まりになった方たちも皆お若くてハツラツとしてきれいだと感じました。また、松江城のお堀を船で巡る堀川遊覧に乗せていただいたり、海のように大きい宍道湖の夕日も素晴らしくて、本当に心が和みました。そして、大社町にある阿国のお墓にもお参りさせていただき、役者の一人としてとてもうれしく思いました。 知事 平成13年のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」を、私もほとんど見せていただきました。ナレーションも担当され、本当に素晴らしいおばぁ役でしたが、出演依頼のお話があったときは、どういうお気持ちでしたか。 平良 最初は躊躇しました。でも、沖縄を全国に、世界に知ってもらおうという思いでお引き受けしたんです。スタッフの方々も、本当の沖縄を撮ろう、本当の沖縄の心を映し出そう、という思いで一生懸命やっていただきましたから、今は、いいドラマに出演させていただいた幸せを感じています。また、沖縄の気候風土や風俗習慣、家族の絆など、その通りだと地元の方にも本当に喜んでいただきました。 知事 人柄がにじみ出た平良さんの演技で、沖縄の本当の良さを全国へ表現されたように思います。 ![]() ヒロインのおばぁ役で出演したNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」【写真提供:NHK】 長寿の秘訣は食生活と心の持ち方 知事 「ちゅらさん」という言葉は有名になりましたね。 平良 はい。昔の京都の言葉という説も聞いていますけれど、「清らか」という意味です。空や海のきれいさだけではなく、一生懸命汗を流して働いてる人のことや、ちゅらぐくる(心)など、いろいろなことに使います。 知事 私が初めて沖縄を訪れましたのは、知事になりました昭和62年の沖縄国体ですが、海の色の何とも言えない素晴らしい美しさに感激しました。まさに「ちゅら海」ですね。 平良 はい。本当に、沖縄の宝です。 知事 そのとき、豚肉を中心にした料理や、国体を記念して10年がかりで作ったという焼酎も、料理にぴたっと合って本当においしかったです。「ちゅらさん」でも沖縄の食べ物がよく登場しましたが、沖縄料理の特徴はどんなことですか。 平良 私は普通の食生活しか知りませんけれど、沖縄料理は風土に合った、人の体に合った健康食だと思います。例えば、評判になりましたゴーヤーは最初は苦みが敬遠されますけれど、本土からいらっしゃる方などに私は必ず作って差し上げます。そして、「沖縄のおいしいもの、クスイです」とお勧めします。「クスイ」は薬のこと。食事は体を作る基本ですから、ウチナー(沖縄)の人は「ヌチグスイ」(命の薬)と考えています。そして、何度も食べるうちに苦みがおいしくてくせになる、と皆おっしゃいます。 知事 確かに、食事が薬になるというのは体のためになるということですからね。また、お豆腐も本土の人の2倍くらいたくさん食べられるそうですね。 平良 ええ、よく食べます。海のにがりで作った硬めの豆腐で、味をつけずにそのままでもおいしいです。普段の食事は、豊富な野菜とおいしい豆腐、また豆類の献立が多く、何か行事があると大根や冬瓜などたくさんの野菜やコブが入った肉料理です。沖縄ではコブは採れませんけれど、日本一の消費量だという話もあるくらい、昔からよく食べます。また、肉料理で有名な角煮は、お肉を充分湯がいて脂を抜きますから、どんなに食べても体に悪いことないです。健康には食生活が大事だなと思いますよ。 知事 昔から医食同源と言いますけれど、沖縄料理はまさにそうですね。島根も日本海や宍道湖などから新鮮な魚介類がたくさん取れますから、食材が豊かな点は沖縄と似たところがあります。もう一つ、長生きだという点も似ております。沖縄は全国一の長寿県。島根はだいたい2位か3位です。平良さん自身、長寿で元気に暮らすために、何か気を付けておられる点がありますか。 平良 そうですね。食生活では特別なことはありませんし、粗食なんですよ。好き嫌いはあまりないですし、お漬物とお豆腐や野菜のおかずがあればそれで満足です。小さいときからたくさんの野菜を食べて、健康の基礎が作られたのではないかと思っています。そして、一番心がけているのは、物事にあくせくせず、引きこもらないで、いつでも前に出て若い方とも一緒に交わり、くよくよしないということです。いつでも、皆が集まる場所で何かに挑戦することを、一つの健康法にしています。沖縄の女、特に年寄りが本当にあっけらかんとして物おじしないのは、気候風土も関係すると思いますが、やはり気持ちの持ち方です。年をとると、年寄りは弱虫だと自分で思いがちになります。でも、皆がわからない時代を知っているし、物の作り方でも年寄りのほうがいろいろな経験もあります。だから年寄りは必要なんだ、というふうに自分で威張るくらいの気持ちを持つことですよ。 知事 平良さんがおっしゃるように、食生活に加えて、自信と気概、積極性が大事ですね。生き生きと暮らしておられる気持ちを伺いまして、健康長寿の秘訣はその辺りにあると思いました。 平良 年寄りは「国の宝」と言われていると自信を持って、自分の体力に合ったできる範囲のことを、いつでも体を動かしてやっていれば大丈夫。それが健康の元だと思います。 ![]() 松江城の堀を周遊する堀川遊覧船。冬期は暖かい炬燵舟になる |